オフロードバイクで颯爽と街を駆け抜けたいけれど、どのような服装をすればよいか悩んでいませんか。本格的なオフロードウェアでは少し大げさに感じますし、かといって普段着のままでは安全性が心配です。特に、服装で失敗したり後悔したりすることは避けたいものです。
この記事では、そんなオフロードバイクの服装で街乗りを楽しむための、安全性とスタイルを両立させる具体的な方法を詳しく解説します。
服装選びの基本から、おしゃれでかっこいいコーディネートのコツ、服装で特に重要になる夏や冬の対策、コストパフォーマンスに優れたウェアとしてワークマンの活用法、さらには似ているようで少し違うモタードの街乗りファッションとの比較まで、幅広く情報を網羅しています。この記事を読めば、あなたのバイクライフがより安全でスタイリッシュになるヒントが見つかるはずです。
- 街乗りに適した服装の基本ルール
- 安全性とおしゃれを両立するアイテム選びのコツ
- 季節ごとの快適なコーディネート術
- コストを抑えつつ装備を揃える具体的な方法
失敗しないオフロードバイクの服装 街乗りの基本

- 普段着でOK?服装街乗りの注意点
- 安全でおしゃれかっこいいコーデのポイント
- 街乗りに必須の安全装備とは?
- おすすめのライディングシューズ
- 費用を抑えるならウェアはワークマンも活用
- モタードバイクにおすすめの街乗りファッション
普段着でOK?服装街乗りの注意点

オフロードバイクでの街乗りに、普段着をそのまま流用するのは避けるべき、というのが基本的な考え方です。なぜなら、普段着とバイク専用ウェアとでは、保護性能や機能性が大きく異なるからです。
例えば、一般的なジーンズやチノパンは、万が一の転倒時にアスファルトとの摩擦ですぐに破れてしまい、深刻な怪我につながる危険性があります。また、夏場に着用しがちなTシャツ一枚では、肌が直接路面に叩きつけられるリスクに加え、エンジンからの熱で火傷を負う可能性も考えられます。
もちろん、街乗りで林道やオフロードコースを走る時のような、本格的なモトクロスジャージやパンツが必須というわけではありません。しかし、最低限の安全性を確保するためには、普段着を選ぶ際にもいくつかの注意が必要です。
もし普段着に近いスタイルを選ぶのであれば、生地の厚い丈夫な素材のパンツを選び、内部にプロテクターを装着できるインナーパンツを併用することが強く推奨されます。ジャケットについても同様で、プロテクターを内蔵できるカジュアルなデザインのライディングジャケットを選ぶか、インナープロテクターを着用することが、安全性を確保する上で大切になります。
安全でおしゃれかっこいいコーデのポイント
オフロードバイクの街乗りファッションで、安全性とスタイルを両立させるには、機能性とデザイン性のバランスを取ることが鍵となります。ただ安全なだけでなく、バイクのスタイルに合った、おしゃれでかっこいいコーディネートを目指しましょう。
ポイント1:バイクとのカラーリングを合わせる
コーディネートに統一感を出す最も簡単な方法は、愛車のカラーリングに服装の色を合わせることです。バイクのメインカラーや、アクセントとして使われている色をジャケットやヘルメットに取り入れるだけで、全体がまとまって見えます。全身を同じ色で揃えるのではなく、部分的に色を拾うのが、洗練された印象を与えるコツです。
ポイント2:シルエットを意識する
街乗りでは、すっきりとしたシルエットを意識することが大切です。風でバタつくような大きすぎるウェアは、見た目が良くないだけでなく、運転の妨げにもなり危険です。体にフィットしつつも動きやすい、ライディング専用の裁断が施されたウェアを選びましょう。特にアドベンチャータイプのジャケットや、細身のカーゴパンツなどは、オフロードバイクのスタイルにマッチしやすくおすすめです。
ポイント3:異素材を組み合わせる
全身をバイクウェアで固めるのではなく、カジュアルなアイテムを組み合わせることで、街に馴染む「こなれ感」を演出できます。例えば、プロテクター入りのライディングジャケットの下にパーカーを重ね着したり、足元はオフロードブーツで固めつつ、パンツは高強度のライディングデニムを選ぶといった組み合わせです。これにより、安全性を確保しながらも、ファッション性を高めることが可能になります。
街乗りに必須の安全装備とは?

オフロードバイクで街乗りを楽しむ際、ファッション性と同じくらい、あるいはそれ以上に優先すべきなのが安全装備です。事故は予期せぬタイミングで発生する可能性があり、たとえ低速走行の街中であっても、転倒すれば重大な怪我につながりかねません。ここでは、最低限揃えておきたい必須の安全装備について解説します。
ヘルメット
頭部を守るヘルメットは、最も重要な装備です。オフロードバイクには、日差しや泥を防ぐためのバイザーが付いた専用のオフロードヘルメットが似合います。このタイプは、目を保護するためにゴーグルと組み合わせて使用するのが一般的です。 一方で、街乗りやツーリングがメインであれば、シールドが付いているアドベンチャーヘルメットも非常に便利です。走行風を直接受けずに済むため疲労が軽減され、突然の雨にも対応しやすいというメリットがあります。また、着脱の手軽さを優先するなら、ジェットヘルメットも選択肢の一つですが、その際は顎部分の保護性能がフルフェイスタイプより劣ることを理解しておく必要があります。
プロテクター
万が一の転倒時に、体を衝撃から守るプロテクターは不可欠です。多くのライディングジャケットには、肩、肘、背中にプロテクターが標準装備されているか、後から装着できるポケットが付いています。 もしプロテクターが内蔵されていないウェアを着用する場合は、必ずインナータイプかアウタータイプのプロテクターを別途着用してください。特に、衝撃を受けやすい膝、肘、そしてダメージが大きいと後遺症につながりかねない胸部や背中のプロテクターは、街乗りであっても装備することが強く推奨されます。
グローブ
グローブは、転倒時に手をついた際の怪我を防ぐだけでなく、ハンドルのグリップ力を高め、正確な操作を助ける役割も担います。また、走行中の振動を軽減し、疲労を和らげる効果もあります。 オフロード用のグローブは操作性を重視して薄手のものが多いですが、街乗りでは手の甲や指関節にプロテクターが付いた、保護性能の高いモデルを選ぶとより安心です。近年では、装着したままスマートフォンを操作できるモデルも多く、利便性の面でも進化しています。
おすすめのライディングシューズ

オフロードバイクの足元といえば、膝下までをがっちりガードする本格的なオフロードブーツを想像するかもしれません。しかし、保護性能が非常に高い反面、硬くて重たいため、街中を歩き回るには不便です。そのため、街乗りがメインの場合は、保護性能と歩きやすさを両立させたライディングシューズが最適な選択肢となります。
スニーカーのような見た目のカジュアルなライディングシューズもありますが、オフロードバイクのスタイルに合わせるなら、くるぶしまでしっかりと保護してくれるハイカットタイプのモデルがおすすめです。
これらのシューズは、一般的なスニーカーとは異なり、転倒時の衝撃から足首を守るためのプロテクターが内蔵されています。また、シフトチェンジで靴が傷むのを防ぐシフトパッドや、滑りにくいソールなど、ライディングに適した機能が備わっています。
具体的なモデルとしては、ガエルネの「タフギア」やDFGの「ナビゲーターショートブーツ」などが挙げられます。これらは、バイクを降りてからの歩きやすさも考慮されており、ツーリング先での散策などにも対応できる汎用性の高さが魅力です。自分のライディングスタイルやファッションの好みに合わせて、最適な一足を選びましょう。
費用を抑えるならウェアはワークマンも活用

オフロードバイク用の装備を一式揃えようとすると、それなりの費用がかかります。特にバイクに乗り始めたばかりの方や、まずは気軽に街乗りから楽しみたいという方にとって、コストは大きな課題です。そこでおすすめしたいのが、ワークマンのアイテムを活用する方法です。
近年、ワークマンは作業着だけでなく、アウトドアやスポーツ向けの機能的なウェアを数多く展開しており、その品質と価格のバランスの良さから多くのライダーに支持されています。特に「FieldCore(フィールドコア)」や「AEGIS(イージス)」といったブランドのジャケットは、高い防水性、防風性、透湿性を備えており、バイクウェアとして十分な性能を発揮します。
デザインもシンプルでスタイリッシュなものが増えているため、カジュアルな街乗りスタイルにも自然にマッチします。耐久性のあるパンツや、クッション性の高いグローブなども低価格で手に入るため、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
ただし、ここで最も注意すべき点は、ワークマンの製品の多くはバイク専用設計ではないため、プロテクターが標準装備されていないことです。したがって、ワークマンのウェアを着用する際は、必ず市販のインナープロテクターやアウタープロテクターを別途購入し、併用してください。安全性を確保するという大前提を忘れずに、賢くアイテムを組み合わせることで、低コストでも安全で快適なバイクライフを始めることができます。
モタードバイクにおすすめの街乗りファッション

モタードバイクでの街乗りでは、そのスタイリッシュな車体に合わせて、ファッションも軽快に決めたいものです。オフロードバイクのDNAを持ちつつ、ストリートでの走行に特化しているため、安全性とカジュアルさを両立させたコーディネートが非常によく似合います。
トップスは、お気に入りのTシャツやパーカーの下にインナープロテクターを着用するスタイルが人気です。これにより、見た目は普段着に近く、街に溶け込みながらも安全性はしっかり確保できます。また、デザイン性の高いモトクロスジャージを主役にするのも、モタードならではのスポーティーなスタイルとして定番です。
パンツには、プロテクターを内蔵したライディングデニムや、ポケットが多くて便利なカーゴパンツがおすすめです。乗車姿勢が楽で、バイクを降りた後も違和感なく過ごせるものが良いでしょう。
足元は、本格的なオフロードブーツよりも、軽快なショートタイプのライディングブーツや、くるぶしまで保護できるハイカットのライディングシューズがマッチします。動きやすさと安全性を兼ね備えたモデルを選びましょう。
このように、モタードのファッションは、ストリート系のアイテムをうまく取り入れながら、見えない部分でプロテクターなどの安全装備を充実させることがポイントです。オフロードバイクの持つタフなイメージと、街乗りのスマートさを融合させた、自分らしいスタイルを見つけてみてください。
季節別オフロードバイクの服装 街乗りのポイント

- 快適性を左右する服装街乗り夏の装備
- 通気性の良いメッシュジャケットの選び方
- 寒さを乗り切る服装街乗り冬の対策
- 防風インナーやジャケットの重要性
快適性を左右する服装街乗り夏の装備

夏のオフロードバイクでの街乗りは、暑さとの戦いです。直射日光やアスファルトからの照り返し、そしてエンジンから発せられる熱により、体力は想像以上に消耗します。このため、夏の服装選びのテーマは、いかに涼しく快適に、そして安全に走るかという点に集約されます。
まず大前提として、どれだけ暑くても半袖・半ズボンでの運転は絶対に避けるべきです。転倒時の怪我のリスクが格段に高まるだけでなく、強い日差しに直接肌を晒すことは、日焼けによる火傷や疲労の原因となります。
夏の基本装備は、通気性に優れたメッシュ素材のライディングジャケットとパンツです。これらは走行風を効率的にウェア内に取り込み、体温の上昇を抑えてくれます。さらに、インナーには吸汗速乾性の高い機能性素材のものを選ぶと、汗をかいてもベタつきにくく、常にサラッとした着心地を保つことができます。
接触冷感機能のあるインナーなら、着た瞬間にひんやりと感じられ、より快適性が増すでしょう。夏の装備は、安全性を確保しつつ、いかに熱を逃がすかを考えて選ぶことがポイントになります。
通気性の良いメッシュジャケットの選び方

夏のライディングを快適にするメッシュジャケットですが、ただメッシュ素材であれば何でも良いというわけではありません。より効果的に涼しさを得るためには、選び方にいくつかのポイントがあります。
重要なのは、メッシュが配置されている場所と、その面積です。効率よく風を取り込んで体温を下げるには、走行風が当たりやすい胸や腕の部分に大きくメッシュが使われているモデルが効果的です。さらに、取り込んだ空気をスムーズに排出できるよう、背中にも大きなメッシュやベンチレーション機能が付いているかを確認しましょう。
例えば、DFGの「ナビゲータークールジャケット」のように、開閉可能な大型ベンチレーションを備えたモデルは、気温の変化に合わせて通気性を調整できるため非常に便利です。
そしてもう一つは、安全性の確認です。メッシュ素材は通気性が良い反面、一般的な生地に比べて強度が低い傾向にあります。そのため、転倒時に衝撃を受けやすい肩や肘などの部分には、耐摩耗性に優れた厚手の生地で補強がされているか、そしてプロテクターが標準で装備されているか(または後付けできるか)を必ずチェックしてください。涼しさと安全性の両方を満たす一着を選ぶことが、夏の快適なライディングにつながります。
寒さを乗り切る服装街乗り冬の対策

冬のライディングで最も手強い敵は、寒さ、特に走行風による体温の低下です。実際の気温がそれほど低くなくても、バイクで走行するときの体感温度は氷点下になることも珍しくありません。体が冷え切ってしまうと、操作が鈍り、判断力も低下するため、重大な事故につながる危険性があります。
したがって、冬の服装の基本は「防風」「保温」「重ね着(レイヤリング)」の3つです。
まず、アウターには走行風の侵入を完全にシャットアウトする、防風性能の高いジャケットやパンツを選びます。その内側には、体温を保持するための保温性に優れたミドルレイヤーを着用します。フリースや薄手のダウンジャケットなどがこれにあたります。そして、肌に直接触れるインナーには、汗をかいても体を冷やさない吸湿速乾性を持ち、さらに発熱機能のある素材を選ぶのが理想的です。
この3層のレイヤリングを基本とし、気温に応じてミドルレイヤーを調整することで、様々な寒さに対応できます。近年では、バッテリーで発熱する電熱ウェア(ジャケット、グローブ、パンツなど)も高性能化しており、これらを活用するのも非常に効果的な寒さ対策となります。
防風インナーやジャケットの重要性

前述の通り、冬の寒さ対策において最も重要なのは、体温を奪う最大の原因である「冷たい風」をいかに防ぐか、という点です。どれだけ暖かい素材のウェアを重ね着しても、その隙間から走行風が侵入してしまえば、体の熱はあっという間に奪われてしまいます。
そこで大きな役割を果たすのが、防風性能を持つインナーやジャケットです。アウタージャケットの下に一枚、薄手の防風インナーを着用するだけで、体感温度は劇的に変わります。これは、ウェアの生地そのものが風を通さなくても、ファスナーの隙間などから侵入してくるわずかな風を防ぐ効果があるためです。
また、アウターとして選ぶジャケット自体も、防風性を謳ったモデルを選ぶことが不可欠です。市販されているウェアの中には、DFGの「ウィンターライド」シリーズのように防風ソフトシェル素材を使用したものがあります。これらは動きやすさを損なわずに高い防風性を実現しているため、特にアクティブなライディングを好むライダーにおすすめできます。
ジャケットやパンツ本体だけでなく、首元からの風の侵入を防ぐネックウォーマー、手先の冷えを防ぐウィンターグローブ、そして車種によってはハンドルカバー(ハンドウォーマー)など、体の末端部分の防風対策を組み合わせることで、冬のライディングは格段に快適になります。
まとめ:オフロードバイクの服装で街乗りを楽しむ方法
この記事では、オフロードバイクで街乗りを楽しむための服装について、安全性とファッション性を両立させる観点から多角的に解説しました。最後に、重要なポイントを改めてまとめます。
- オフロードバイクの街乗りでは安全性が最優先
- 普段着の流用は危険性が高いため避けるのが賢明
- 必ずヘルメット、グローブ、プロテクターを着用する
- 足元は保護性能と歩きやすさを両立したライディングシューズが最適
- おしゃれのコツはバイクとの色合わせとすっきりしたシルエット
- カジュアルなアイテムと組み合わせると街に馴染みやすい
- コストを抑えたい場合はワークマンの活用も有効な選択肢
- ただしワークマン製品はプロテクターの別途着用が必須
- モタードファッションはよりストリート寄りのスタイルが特徴
- 夏の服装は通気性とUVカット、安全性の確保がテーマ
- メッシュジャケットはメッシュの配置とプロテクターの有無を確認
- 冬の服装は防風・保温・重ね着の3原則が基本
- 冷たい走行風を防ぐことが最も効果的な寒さ対策
- 季節や目的に合わせて装備を使い分けることが快適さの鍵
- 安全装備を整えることで安心してライディングを楽しめる