タッチフットボールとは?ルールや特徴を解説

タッチフットボールとは?ルールや特徴を解説 タッチフットボール

「タッチフットボールとは」と検索されているあなたは、このスポーツの基本情報や詳細なルール、他のフットボール競技との違いに関心があることでしょう。

また、競技人口や国際大会の状況についても疑問をお持ちかもしれません。この記事では、タッチフットボールの魅力と、アメリカンフットボールやラグビーとの相違点、さらには競技の現状まで、包括的に解説していきます。

この記事を読むことでタッチフットボールの以下の点が理解できます。

記事のポイント
  • タッチフットボールの基本的なルール
  • ポジションごとの役割と特徴
  • 試合時間や進行について
  • 他のフットボール競技との違い

タッチフットボールとは?その基本を解説

タッチフットボールとは?その基本を解説
  • タックルがないタッチフットボールのルール
  • ポジションごとの役割
  • 試合時間と競技の流れ
  • ラグビーやアメリカンフットボールとの違い

タックルがないタッチフットボールのルール

タックルがないタッチフットボールのルール

タッチフットボールは、アメリカンフットボールを基にしており、タックルの代わりにボール保持者の胴体に両手で触れる「タッチ」でプレーが止まります。このタッチがタックルの代わりとなるため、年齢や性別、経験に関わらず、誰もが安全に楽しめるスポーツとして広く認識されています。防具の着用も不要で、手軽に始められる点が大きなメリットです。

基本的にアメリカンフットボールのルールに準じていますが、タッチフットボール独自の安全性が重視されています。フィールドの大きさは幅が40ヤード、長さが10ヤードの両エンドゾーンを含めて80ヤードです。攻撃側は6人、守備側も6人でプレーします。

攻撃チームは4回の攻撃権を持ち、その4回以内に10ヤード以上前進すると、新たに4回の攻撃権を得られます。もし10ヤード前進できない場合や、ディフェンスチームにボールをインターセプトされた場合には、攻守が交代します。

得点は、相手エンドゾーンにボールを持ち込むタッチダウンで6点です。その後、追加得点として、ゴールラインの3ヤード手前からのプレーで1点、8ヤード手前からのプレーで2点が獲得できます。また、試合開始時や得点後のキックオフ、パントはありますが、フィールドゴールはありません。ポイントアフタータッチダウンでは、1点か2点のプレーを選択して行います。

ポジションごとの役割

タッチフットボールでは、攻撃と守備それぞれに異なる役割を持つポジションが存在します。これらのポジションが連携することで、チームとして効果的なプレーを展開できるようになります。

オフェンス(攻撃)のポジション

  • クォーターバック(QB):ゲームメイクを考え、オフェンスの作戦を出す司令塔です。センターからスナップされたボールを受け取り、パスを投げたり自ら走ったりして攻撃を組み立てます。
  • センター(C):プレーの開始となる「スナップ」を正確にQBに出す重要な役割を担います。スナップ後には、パスコースに出てボールを捕球したり、ブロックして仲間を守る動きもします。
  • ガード(G):主にディフェンスラインやラインバッカーからのQBへのプレッシャーを守るためにブロックを行います。また、パスコースに出てパスを捕球する機会もあります。器用さが求められるポジションです。
  • ワイドレシーバー(WR):主に2人でパスコースに出て、QBが投げたパスを捕球します。奥のゾーンへの長いパスを捕ることが多く、ランプレーの際にはブロックも行います。キャッチの成功がチームの前進に直結するため、非常に重要な役割です。

ディフェンス(守備)のポジション

  • ディフェンスライン(DL):主に2人でQBを囲み(コンティン)、プレッシャーをかけて意図通りのプレーをさせないようにします。相手QBにランプレーをさせないよう注意しながら、パスを潰すためのプレッシャーをかけることが求められます。
  • ラインバッカー(LB):主にアンダーゾーン(スクリメージラインから5ヤードまで)のパスを守ります。また、QBにプレッシャーを与えるためにラッシュをかけることもあります。守備の真ん中に位置し、ランを止めたり、パスを封じたりと多岐にわたる役割を担います。
  • コーナーバック(CB):2人がパスコースに出る攻撃選手をマークし、ヤードゲインを最小限に抑える役割を持ちます。特にWRやCのロングパス、アンダーパスに対してディフェンスを行い、一発で奥に投げられないように守備を固めることが求められます。
  • セーフティ(S):「最後の砦」として、広い視野を持ちながら奥のパスをケアします。ボールを持った敵選手にタッチしたり、インターセプトでボールを奪ったりすることで、攻撃を食い止める重要な役割を担います。

試合時間と競技の流れ

タッチフットボールの1試合は、おおよそ1時間程度で進行します。これは、アメフトと比較すると短時間であり、手軽にプレーできる要因の一つと言えるでしょう。

試合はクォーター制を採用しており、8分が1クォーターとなります。第2クォーターと第3クォーターの間にハーフタイムを挟み、第4クォーターまでの合計得点を競い合うのが基本的な流れです。

試合時間については、タッチダウン時には計時が止まります。これに加え、前後半の最後(第2クォーターと第4クォーター)のラスト2分間は、アメリカンフットボールに近い正式計時となり、パス失敗やアウトオブバウンズなどで時間が細かく止まったり流れたりする場合があります。このため、試合の終盤には戦略的な時間の使い方が求められることもあります。

ラグビーやアメリカンフットボールとの違い

ラグビーやアメリカンフットボールとの違い

タッチフットボールは、ラグビーやアメリカンフットボールから派生したスポーツであり、それぞれの競技と共通点も多い一方で、安全性やプレー人数などに明確な違いがあります。

項目タッチフットボールアメリカンフットボールラグビー(一般的なタグラグビー含む)
身体接触タッチによる接触のみ激しいタックルタックル(タッチラグビーはタッチ)
防具基本的に不要(膝パッド、マウスピース推奨)ヘルメット、ショルダーパッドなど必須不要(タグラグビーはタグ)
人数6人制が主流11人制15人制(タグラグビーは6人制など多様)
フィールドゴールなしありなし
スクラム/ラインアウトなしなしあり(タッチラグビーはなし)

タッチフットボールは、タックルがなく防具も不要なため、激しいコンタクトプレーが苦手な方や、より安全にフットボールを楽しみたい方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。ラグビーの入門スポーツや、アメリカンフットボールの戦術やスピードを体験したい初心者、特に小中学生や女子大学生に適していると言えます。


競技としてのタッチフットボールとは

競技としてのタッチフットボールとは
  • 競技人口や国際大会の現状
  • 安全に楽しめるスポーツとしての魅力
  • タッチフットボールの歴史と発展
  • タッチフットボールとはどんなスポーツか

競技人口や国際大会の現状

タッチフットボールの競技人口に関する明確なデータは、残念ながら公表されていません。日本においては、1990年に慶應義塾大学環境情報学部の冨田勝教授が6人制タッチフットボールを大学女子競技として紹介し、日本タッチ・アンド・フラッグフットボール協会(JTFA)を設立したことで広まりました。導入当初は「女子が行うことができるフットボール競技」という珍しさからメディアへの露出もありましたが、近年はその露出が減少し、競技自体の認知度が伸び悩んでいる現状があります。

一方で、国際的な大規模大会は現状開催されていないようです。しかし、日本国内では複数の主要な大会が開催されており、競技の普及と発展に貢献しています。例えば、大学女王と社会人女王が日本一をかけて戦う冬の「さくらボウル」や、大学・社会人チームが参加できる春の「シュガーボウル」、秋の大学女王決定戦である「プリンセスボウル」、社会人女王決定戦の「ファイルタッチ」などが挙げられます。これらの大会は、選手のモチベーション向上や競技レベルの維持に不可欠な存在となっています。

安全に楽しめるスポーツとしての魅力

安全に楽しめるスポーツとしての魅力

前述の通り、タッチフットボールはタックルがなく、身体への負担が少ないため、安全に楽しめる点が大きな魅力です。老若男女問わず、幅広い層がプレーできるため、家族や友人とのレクリエーションとしても親しまれています。

この競技は、防具の購入が不要である点も大きなメリットです。ボールさえあれば気軽に始められるため、アメリカンフットボールに比べて始める敷居が低いと言えます。そのため、初めてフットボール競技に触れる方や、身体的な接触を避けたい方にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

もちろん、安全性が高いからといって、競技としての面白さが損なわれるわけではありません。タッチフットボールは、アメリカンフットボールと同様に、戦術やスピードを競い合うチーム球技です。プレー開始前に戦術を話し合い、全員の任務を決定し、チームワークで実行していく過程は、非常に奥深く、やりがいを感じられるものです。楕円形のボールを使って6対6で行う陣取りゲームという側面もあり、頭脳と身体能力の両方が試されるスポーツなのです。

タッチフットボールの歴史と発展

タッチフットボールは、アメリカンフットボールから派生したスポーツとしてその歴史をスタートさせました。アメリカンフットボール自体は、1869年に初めてラグビーよりもサッカーに近いルールで試合が行われ、その後、1876年に現在の形に近いルールが起草されたと言われています。激しいタックルが許されるアメリカンフットボールの危険性を回避し、より多くの人々が楽しめるようにと、タッチフットボールが考案されました。

日本においては、1946年に米国進駐軍によって11人制のタッチフットボールが紹介されたことが始まりです。これは防具を装着し、タックルの代わりにタッチを用いるもので、後の高等学校アメリカンフットボールの発展にも繋がりました。

一方で、現在主流となっている6人制のタッチフットボールは、1990年に慶應義塾大学の冨田勝教授がアメリカ留学の経験を基に日本に紹介したものです。新しい大学女子競技スポーツの一環として導入され、日本タッチ・アンド・フラッグフットボール協会(JTFA)の設立にも繋がりました。このように、タッチフットボールは日本のスポーツ文化の中で独自の進化を遂げてきたと言えるでしょう。


タッチフットボールとはどんなスポーツか総括

  • 戦術とスピードが鍵となるチーム競技
  • タッチフットボールはアメリカンフットボールを基にした球技
  • タックルの代わりに両手で胴体に触れる「タッチ」で攻撃を止める
  • 年齢や性別、経験に関わらず楽しめる安全なスポーツ
  • 防具の着用は基本的に不要
  • 6人制でオフェンスとディフェンスがプレーする
  • 攻撃は4回の権利で10ヤード前進を目指す
  • 10ヤード前進できない、またはインターセプトで攻守交代
  • タッチダウンは6点、追加得点も可能
  • 1試合は8分クォーター制で約1時間
  • 試合終盤には細かな計時停止もある
  • ポジションにはQB、C、G、WR(攻撃)が存在
  • ディフェンスにはDL、LB、CB、S(守備)が存在
  • 国際的な大規模大会は現状開催されていない
  • 国内ではさくらボウルなどの主要大会がある
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